アラン・ホールズワースについて(2015/8/24加筆)

この記事を書いて約4年後にCD「パスコアール・プロジェクト」をリリースしました。

個人的にはここ数年のホールズワース研究の集大成的内容になりました。



詳細は以下のCDショップのページで(CDもご購入いただけます)


http://ventoazul.shop-pro.jp/?pid=82563635

10年来の平井氏のトリスターノ系ジャズのファンなのですが、これには、驚いたとともにやられた〜という気分にさせられた。

身震いするようなエキサイティングなジャズ!

是非生のライブを聴いてみたい!(VENTO AZUL)



http://diskunion.net/jazz/ct/detail/1006453812

この『Pascoal Project』と題された3作目はさぞや驚くに違いなかろう

平井が本作では、イギリス出身でプログレ界では神様とまで謳われるギタリスト、アラン・ホールズワースばりのプレイ・スタイルへと一変しているのだ。

石沢功治 (Koji Ishizawa) ※ライナーより抜粋



http://wdisque.shop-pro.jp/?pid=84421686

エルメートの流麗な要素にフォーカスしたアレンジの中、正にホールズワース系のギター・ソロも存分に交えた、プログレッシヴ・ジャズ・ロック・リスナーも注目の大充実作に仕上った一枚です!

(WORLD DISQUE)






YOUTUBE動画


https://www.youtube.com/watch?v=iTU5pdEEsgY&feature=youtu.be


Forgotten Ones(Steinberger GLB-2S 使用)

https://www.youtube.com/watch?v=KBnxihb3-MU



What Is This Thing Called Love(Fednder Robben Ford Model 使用)

https://www.youtube.com/watch?v=pYBBf9VDotI



Pintando O Sete (Hermeto Pascoal/エルメート・パスコアール)

http://www.youtube.com/watch?v=CF4mc9eXTXo&feature=bf_prev&list=UUIsaB2QtxQoxtzPaXC6LaLg



Depois Do Baile (Hermeto Pascoal)

http://www.youtube.com/watch?v=EJY-xGD_-mU&feature=youtu.be



24 De Janeiro (Hermeto Pascoal)

http://www.youtube.com/watch?v=99VP33Xaj_s&feature=youtu.be



Tacho (Hermeto Pascoal)

http://youtu.be/ar34GeevGG0




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以下は2011/1/12の記事


音楽の興味の対象がロックからジャズに変わり始めたころよく聴いていたギタリストがアラン・ホールズワースでした。

その少し前に愛聴していたキング・クリムゾンロバート・フリップやフォーカスのヤン・アッカーマンに比べてよりジャズっぽく聴こえるなと感じていました。

左手フィンガリングのレガート奏法による流れるようなフレージングと、アウトしていく摩訶不思議なメロディラインに魅了されてしまい、コピーにも挑戦してみましたが、難解すぎて(しかも早すぎる)何をやっているのかさっぱりわかりませんでした。

その後はジョン・マクラフリンを聴いて衝撃を受け、マクラフリンが入っているアルバムを探していく過程でマイルス・デイヴィスを知り、マイルスのアルバムに入っていたショーターやコルトレーン、ハンコック、チック・コリアなどを知って、どんどんジャズに傾倒していき、徐々にウェスやグラント・グリーンといったオーソドックスなジャズ・ギタリストを好んで聴くようになっていきました。

やがて高嶋宏先生にジャズ・ギターを習うようになり、ギターもそれまで使っていたレス・ポールストラトを売って、フルアコに持ち替えました(エフェクターも全部処分した)。


結局ホールズワースのCDはまったく聴かなくなったため、すべて中古屋に売ってしまいました。


…………

それから15年以上たって、なぜか最近またホールズワースにはまってしまいました。

きっかけは僕のバンドにも参加してくれている、井谷享志くんがパーカッションで参加するジャズ・ロック・バンド“Qui”のライブを聴きにいったことでした。

Quiのギタリスト(リーダー)林隆史さんの、ホールズワースの奏法や、メロディ、ハーモニーのセンスを見事に消化した上でオリジナリティを感じさせる素晴らしいプレイを聴いて、久しぶりにホールズワースの魅力を思い出し、再びCDも買い集めました。

しばらくは聴いていただけでしたが、昔はなにをやっているのか理解できなかったけれど、さんざんジャズのアドリブの採譜を経た今なら多少は解るんじゃないだろうか?と思い、あらためてホールズワースのコピーに挑戦してみました。

スピードを半分に落として何曲か譜面におこしていくと、つかみどころがないようなホールズワースのプレイにも、徐々に共通項、特徴が見えてくるようになりました。

ちなみに個人的に好みなのは、「I.O.U.」以降のソロ時代よりも、ソフト・マシーン、ライフタイム、ジャン・リュック・ポンティ、U.K.、ブラフォード、ゴング、等、初期のサイドマン時代の演奏です。


ホールズワースのフレーズをいくら分析しても、普段やっているバンドは4ビート・ジャズばかりなので、実際のライブでそれを生かす機会はありませんでしたが、いつか試してみたいとは思っていました。





ところで昨年からエルメート・パスコアールの曲を演奏するバンドを始めることになったのですが、オーソドックスな、いわゆるジャズ・ギター・スタイルだけでは曲に対応しきれないなと感じていました(5月ごろ試験的に半分パスコアールの曲を演奏するライブをやり、12月のライブから全曲になり、本格的に始動した)。

もともとパスコアールの音楽にはあまりエレキ・ギターは使われていないので(クアルテート・ノーヴォ時代の同僚エラルド・ド・モンチがエレキを弾いているアルバムはある)、どういうギタースタイルならフィットするだろうか?と考え、ディストーションをかけてホールズワース的にレガートで弾いてみたら合うんじゃないかと思いました。


そこで中古のRATディストーションと、フルアコだとフィードバックを抑えるのが大変なため、歪ませ用にアイバニーズのセミアコ(チョイキズ品がバーゲンで定価の半額だった)を購入しました。

これまで15年以上フルアコクリーントーンでしっかりピッキングするスタイルでひたすら弾いてきたため、最初はプリング、ハンマリングを多用したレガートで演奏するのが大変でした(特にプリングの音がなかなか出なかった(笑))が、林隆史さんに会った際に相談したり(レガートのコツを教えてもらった)、右手のピッキング位置を調整するなどして、徐々に感じがつかめ始めました。



昨年12月のピットインでのライブで、本当に久しぶりにディストーションをかけて人前で弾きました。

フリー・フォームの演奏をやったときにアンプで歪ませてフィードバックさせたりしたことはありましたが、歪んだ音できちんとソロを弾くのは、おそらくジャズの店に出演するようになってからは初めてだったと思います。


トリスターノ系のクール・ジャズを演奏するときとは180度違うプレイですが、こういうスタイルも継続して追及していきたいと思っています。