講演のお知らせ アラン・ホールズワース〜コンテンポラリー・ギター奏者の系譜※無事終了しました (2013/7/17加筆)

※2013/7/17加筆


この記事をアップしてから2年以上経ちましたが、現在はこの時以上にホールズワースに傾倒しています(笑)。


YOUTUBEにいくつか動画をアップしているのでよろしければご覧ください。

Forgotten Ones(Steinberger GLB-2S 使用)

https://www.youtube.com/watch?v=KBnxihb3-MU



What Is This Thing Called Love(Fender Robben Ford Model 使用)

https://www.youtube.com/watch?v=pYBBf9VDotI



Pintando O Sete (Hermeto Pascoal/エルメート・パスコアール)

http://www.youtube.com/watch?v=CF4mc9eXTXo&feature=bf_prev&list=UUIsaB2QtxQoxtzPaXC6LaLg



Depois Do Baile (Hermeto Pascoal)

http://www.youtube.com/watch?v=EJY-xGD_-mU&feature=youtu.be



24 De Janeiro (Hermeto Pascoal)

http://www.youtube.com/watch?v=99VP33Xaj_s&feature=youtu.be



Tacho (Hermeto Pascoal)

http://youtu.be/ar34GeevGG0




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以下は2011/7/13の記事






8/5(金) PM7:00〜 国立ノートランクス
平井庸一のジャズ・ギター列伝 第5回

アラン・ホールズワース〜コンテンポラリー・ギター奏者の系譜 
ゲスト解説:林隆史(From "Qui")


"I believe Allan Holdsworth is incredibly important to the language of Jazz guitar"

アラン・ホールズワースはジャズ・ギターの語法にとって非常に重要だと僕は確信している。」



"I heavily influenced and inspired by Coltrane and the language that he used, and Holdsworth is definitely a touchstone for how to do that on the Guitar"

コルトレーンの語法をいかにしてギターで表現するか、ということの基準を示したのは間違いなくホールズワースだ。」



       by Kurt Rosenwinkel   カート・ローゼンウィンケル のインタビュー(2010)より。


                                         from guitar player.com


 カート・ローゼンウィンケル、ベン・モンダー、ジョナサン・クライスバーグ、スティーブ・カーディナス、マイク・モレノ等に代表される、現在のコンテンポラリーなジャズ・ギターのスタイルは、ジョン・アバークロンビー、ミック・グッドリックから、パット・メセニージョン・スコフィールドビル・フリゼールへと続くギタリスト達のラインの影響下にあると言われています(たぶん)。


カート達コンテンポラリー・ジャズ・ギタリストにとっての“表の父親”がアバークロンビーやフリゼールだとすると、“裏の父親”とでもいえるのが、今回とりあげるアラン・ホールズワースではないか? と思っています。



おそらく彼等も若い頃に愛聴していたであろうエドワード・ヴァン・ヘイレンスティーブ・ヴァイイングヴェイ・マルムスティーンジョー・サトリアーニといった80年代に台頭してきたハード・ロック、へヴィ・メタル系ギタリスト達が影響を公言し、リスペクトしていたのがまさにアラン・ホールズワースであり、多くのハード・ロック好きのギター少年達がホールズワースをきっかけに、ジャズやフュージョンといったロック以外のジャンルのギター・スタイルに目を向けていくようになりました(そういえば僕自身もそうでした)。





 ホールズワースのスタイルのおおまかな特徴としては、右手のピッキングを極力使わず、左手のフィンガリングだけで流麗なアドリブ・ラインを作り出す、レガート奏法を用いた早弾き、摩訶不思議にスケール・アウトするフレージング、人並みはずれて大きな手を生かした、ワイド・ストレッチ・フィンガリングを用いたラインやコードワーク、複数のデジタル・ディレイを用いた広がりのあるサウンド・メイキング、アーム(主にアップ)によるヴィブラートなどがあげられます。


カート・ローゼンウィンケルは「アドリブ・ラインのコンセプトで最も影響を受けたのはホールズワース」とGuitar Playerのインタビューで語っていますし、ベン・モンダーは時おり深くディストーションをかけて、かなりホールズワース・ライクなワイド・ストレッチを用いたレガート早弾きを聴かせます。

ジョナサン・クライスバーグは、デビュー当時の音源を聴くとホールズワースそっくりですし、最近でもストレッチ・フィンガリングは多用しています。



当日は、70年代のサイドマン時代から、80年代以降のソロ活動中心の頃まで様々な時代のホールズワースの音源や映像をプレイする他、時間があれば、ジョン・クラーク、フランシス・ダナリー、ビル・コナーズといったホールズワース直系ともいえるギタリストの音源も紹介したり、ベン・モンダーやスコット・ヘンダーソン等のプレイの中のホールズワース的部分に注目して聴いてみたりもする予定です。


僕自身ここしばらくホールズワースの採譜、分析にのめりこんでいたので、その過程で気が付いたフレージングの特徴などについて解説したいと思います(70年代のプレイ中心ですが)。


加えてゲストに、ジャズ・ロック・バンド“Qui”のリーダーで、ホールズワース研究でも知られるギタリストの林隆史さんを迎えて、奏法解説をやっていただく予定です(林さんは先日、ホールズワースとの共演でも知られるフランスのマリンバ/ヴァイブ奏者、ブノワ・ムーラン(元GONG,GONGZILLA)の来日公演のサポートをつとめました)。



 ホールズワースが現代のジャズ/フュージョン・ギターに果たした功績の大きさを実感できるような講演になればと思っています。